マネキン 洒落にならない怖い話

2chで語り継がれる定番の怖い話です。 最終更新日:2015年06月06日

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私には霊感がありません。
ですから、幽霊の姿を見たことはないし、声を聞いたこともありません。
それでも、ものすごく怖い思いを、たった一度だけ、中学生の時に体験しました。
その話を聞いていただきたいと思います。
14歳のころ父を亡くした私は、母の実家に引っ越すことになりました。
母方の祖父はとうに亡くなっていたので、祖母、母、私と、女3人だけの暮らしとなります。
私は親が死んだショックから立ち直れないまま、新しい環境に早急に馴染まなくてはいけませんでした。

不安はあったのですが、私の身の上に同情してか、転校先の級友も優しく接してくれました。
特にさちこという女の子は、転校してきたばかりの私に大変親切にしてくれ、
教科書を見せてくれたり、話相手になってくれたりしました。

彼女と親友になった私は、自然に周囲に心を開いてゆき、
2ヶ月もたつころには、みんなでふざけあったり、楽しく笑いあったりもできるようになりました。

さて、そのクラスには、ふゆみという可愛らしい女の子がいました。
私は彼女に何となく心惹かれていました。

出典:urban-legend.tsuvasa.com

もちろん変な意味ではなく、女の子が見ても可愛いなと思えるような、小柄できゃしゃな感じの子だったので、
同性として好意を持っていたのです。
(私はちょっと地黒で背も高いので、今考えると、多少の羨望もおそらくあったのだと思います)

好かれようとしていると効果はあるもので、席替えで同じ班になったことからだんだん話すようになり、
彼女が母子家庭であることがわかって、余計に親しくするようになりました。
もっともふゆみの場合は、死に別れたのではなくて、父親が別の女性と逃げたとか、そういうことだったように聞きました。
彼女も女だけで生活しているということを知ったとき、この子と友達になってよかったなと心底思いました。
ただそれも、彼女の家に遊びに行くまでの短い間でしたが・・・

その日、私が何故ふゆみの家を訪ねることになったのか、私は覚えていません。
ずいぶん昔の話だからというのもありますが、
それよりも、彼女の家で見たものがあまりに強い印象を残したので、
そういった些細なことがあやふやになっているのでしょう。
その時はさちこもいました。
それまでもさちこはふゆみのことをあまり好いておらず、私が彼女と仲良くすることを好ましくは思っていないようでした。
それなのに何で彼女がついて来たのか、私には思い出せません。
しかしとにかく、学校の帰り、家が全然別の方向なのにもかかわらず、
私とさちこは何かの用事でふゆみの家に寄ったのでした。

彼女の家は正直古さの目立つ平屋で、
木造の壁板は反り返り、庭はほとんどなく、隣家との間が50センチもないような狭苦しい場所にありました。
私はちょっと驚きましたが、おばあちゃんの家も年季は入っていますし、家計が苦しいのはしょうがないだろうと思って、
自分を恥ずかしく思いました。
「おかあさん」
ふゆみが呼ぶと、少ししわは目立つものの奥からにこやかな顔をした綺麗なおばさんが出てきて、
私とさちこに、こちらが恐縮するほどの深々としたおじぎをしました。
洗濯物をとりこんでいたらしく、手にタオルや下着を下げていました。

「お飲み物もっていってあげる」
随分と楽しそうに言うのは、家に遊びに来る娘の友達が少ないからかもしれないと、私は思いました。
実際にふゆみも「家にはあんまり人は呼ばない」と言ってましたから。
もしふゆみの部屋があんまり女の子らしくなくても驚くまいと、私は自分に命じました。
そんなことで優越感を持ってしまうのは嫌だったからです。
しかし、彼女の部屋の戸が開いたとき目に飛び込んできたのは、予想もつかないものでした。

出典:urban-legend.tsuvasa.com

ふゆみが綺麗だということはお話ししましたが、そのぶんやはりお洒落には気を使っているということです。
明るい色のカーテンが下がり、机の上にぬいぐるみが座っているなど、予想以上に女の子らしい部屋でした。
たった一点を除いては。
部屋の隅に立っていて、こっちを見ていたもの。
マネキン。
それは間違いなく男のマネキンでした。
その姿は今でも忘れられません。
両手を曲げて縮め、Wの形にして、こちらをまっすぐ見つめているようでした。
マネキンの例にもれず、顔はとても整っているのですが、
そのぶんだけその視線がよけい生気のない、うつろなものに見えました。

マネキンは真っ赤なトレーナーを着て帽子を被っていました。
不謹慎ですが、さっきみたおばさんが身につけていたものよりよほど上等な物のように思えました。

出典:urban-legend.tsuvasa.com

「これ・・・」
さちこと私は唖然としてふゆみを見ましたが、彼女は別段意外なふうでもなく、
マネキンに近寄ると、帽子の角度をちょっと触って調節しました。
その手つきを見ていて私は鳥肌が立ちました。
「かっこいいでしょう」
ふゆみが言いましたが、何だか抑揚のない口調でした。
その大して嬉しそうでもない言い方が、よけいにぞっと感じました。

「ようこそいらっしゃい」と言いながら、トレーにケーキと紅茶を乗せたおばさんが入ってきて、
空気が救われた感じになりました。
私と同じく場をもてあましていたのでしょう、さちこが手を伸ばしお皿を座卓の上に並べました。
私も手伝おうとしたのですが、お皿が全部で4つありました。
あれ、おばさんも食べるのかなと思い、ふと手が止まりました。
その時、おばさんがケーキと紅茶のお皿を取ると、にこにこと笑ったままふゆみの机の上に置きました。
そこはマネキンのすぐそばでした……



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出典:urban-legend.tsuvasa.com

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