映画「シン・ゴジラ」はゴジラを超えたか

7月29日に12年ぶりに公開された、東宝ゴジラの新作。 ヱヴァンゲリオンの庵野秀明が脚本・総監督。ローレライ、ガメラ 大怪獣空中決戦の樋口真嗣が監督。 日本を代表する映像作家が作り上げたシン・ゴジラはどのような映画だろうか。 最終更新日:2016年07月31日

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ストーリーもさることながら、映像作品としても『シン・ゴジラ』には一貫した”庵野イズム”が貫かれている。話は逸れるが、昨今、日本の映画監督たちは「ない袖は振れない」予算と時間の制約の中で、どこか”適度なあきらめ”に慣れてしまっている感がある。というよりも、日本映画界自体が、適度にあきらめてくれる優等生監督を好む傾向にあると言うべきか。そんな閉塞感の中、庵野秀明の徹底的な”リアリティー”へのこだわりは、作品に大きなエネルギーを与えている。例えば、『GOZILLA』でギャレス・エドワーズ(監督)が採用した着ぐるみ=特撮によるゴジラに対して、庵野は「人間味を一切排除した」フルCGで感情のないゴジラを作り出している。しかし、その造形の細かさが得体の知れない生命体として、全編通じて不気味さと、自然災害にも似た抗えない強大さを醸し出している。随所に散りばめられた庵野の”こだわり”は是非、劇場で目の当たりにしてみて欲しい。蛇足になるが、『シン・ゴジラ』はもちろん怪獣映画としても十分に楽しめるエンターテイメント作品だ。

出典:getnews.jp

日本の危機管理能力をリアルに描いた作品

この映画は”日本の組織運営がトップダウンではないことを皮肉”っている点、そして「個」ではなくあくまで「集団」で闘う日本の強さを描いた映画です。
日本の政治のトップである内閣総理大臣が優柔不断で、カリスマ性にかけるのもリアルです。彼自身の意見や思想ではなく、あくまでもそのあと、どう”責任”を取るかということに徹した行動をしている。目の前の大きな脅威をなくすために闘うことよりも、目の前に一人でも弱者がいたらそれを助けることに目を背けることはできないということ。
ただの怪獣映画ではなくて、極めて政治的な背景を描いた社会的な映画でした。

出典:yukke1006.com

シン・ゴジラの圧倒的な存在感

出典:rensai.jp

シン・ゴジラは体長118.5mとゴジラ史上最大であるが、スクリーンではその大きさが際立っている。鎌倉沖から現れたときのシーンはゴジラ(1954)を彷彿させるスケール感である。
本作ではゴジラの巨大さが殊更に強調され、本当にゴジラに踏みつぶされるのでないかという恐怖感すら覚える。
自衛隊の攻撃にもビクともしない強靱さは悪夢そのものであり、ゴジラの攻撃力も桁違いにパワーアップされておりまさに最強のゴジラである。

原点回帰

シン・ゴジラ 上陸 ...

シン・ゴジラは今までの東宝ゴジラシリーズとは一線を画している。
ライバルの怪獣も、物理法則を無視したような超兵器も一切出てこない。
2015年にゴジラが現れたらこうなるだろうというリアルを追求している。
最初の上陸地点が大田区から品川八山橋を目指さすところも、ゴジラ(1954)第1作の上陸コースとダブり思わずにやりとさせられる。
自衛隊の全面協力の下、現有兵器で迎え撃つのも第1作と同じである。
CGを屈指した自衛隊との戦闘シーンはまるでニュース映像を見ているように自然な仕上がりで、現実にゴジラが出現したようなディジャブを感じさせる。
シン・ゴジラは子供向けの怪獣プロレス路線から、ゴジラという未曾有の災害にいかに立ち向かうかという第1作に原点回帰を果たしている。



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