吉田調書報道「公正で正確な姿勢欠けた」 報道と人権委

朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」(PRC)は12日、東京電力福島第一原発の元所長・吉田昌郎氏(故人)に対する政府事故調査・検証委員会の聴取結果書「吉田調書」をめぐり、同社が今年5月20日付朝刊で報じた記事について見解をまとめた。 最終更新日:2014年11月12日

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吉田調書報道「公正で正確な姿勢欠けた」 報道と人権委

朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」(PRC)は12日、東京電力福島第一原発の元所長・吉田昌郎氏(故人)に対する政府事故調査・検証委員会の聴取結果書「吉田調書」をめぐり、同社が今年5月20日付朝刊で報じた記事について見解をまとめた。

調書の入手は評価したものの、「報道内容に重大な誤りがあった」「公正で正確な報道姿勢に欠けた」として、同社が記事を取り消したことを「妥当」と判断した。

PRCはまた、報道後に批判や疑問が拡大したにもかかわらず、危機感がないまま迅速に対応しなかった結果、朝日新聞社は信頼を失ったと結論づけた。

1面記事「所長命令に違反 原発撤退」について、(1)「所長命令に違反」したと評価できる事実はなく、裏付け取材もなされていない

(2)「撤退」という言葉が通常意味する行動もない。「命令違反」に「撤退」を重ねた見出しは否定的印象を強めている――と指摘。

吉田調書には、指示が的確に伝わらなかったことを「伝言ゲーム」にたとえたほか、「よく考えれば2F(福島第二原発)に行った方がはるかに正しいと思った」という発言もあったが、記事には掲載しなかった。

PRCは「読者に公正で正確な情報を提供する使命にもとる」とした。

2面記事「葬られた命令違反」については、「吉田氏の判断に関するストーリー仕立ての記述は、取材記者の推測にすぎず、吉田氏が述べている内容と相違している。

読者に誤解を招く内容」と指摘した。

一方、吉田調書を入手して政府に公開を迫り、原発の重大事故への対処に課題があることを明らかにしたことは「意義ある問題提起でもあった」と評価した。


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