4億円を寄付した男の“危機感”

7月14日の朝刊各紙の首相面会人一覧に、見慣れぬ名前が載った。 「河野経夫」。 第一住宅という会社の代表取締役会長。 この人が首相官邸を訪れたのは、政府が主導する「子供の未来応援基金」に対する巨額寄付が理由だった。 最終更新日:2016年08月08日

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寄付の連鎖に期待

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河野経夫・第一住宅株式会社代表取締役会長(写真はすべて筆者)

その額、4億円。

「あるところにはあるもんだなあ」と思った人もいるもしれない。
しかし、河野さんの寄付行為は強い危機感に裏付けられた、より切迫したものだった。
その危機感とは何か。
埼玉県川越市にある第一住宅本社にて、お話をうかがった。

寄付は1分で決めた

――4億円もの寄付を即決されたと聞きましたが、本当ですか?
本当にあっさり決めたんです。
家内が「おとうさん寄付したら?」というから、私が「いいね」と。
1分で決めました(笑)。
実は、私の会社は同族会社でしてね。会社の純資産は90億円なんですが、息子も継ぎませんので、そのうち20億円で持ち株会をつくって、みんなの会社にしようと。
そういう趣旨で株を処分したので、それで寄付しようと決めたんです。
税金を払いながらコツコツ貯めたお金を寄付したわけじゃないんです。
そこまでのお金はない。臨時収入ですよ(笑)。
私たちの会社がここまで来られたのは社会のおかげです。
社会のおせわになったわけだから、社会のお役に立ちたい、と。

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笑顔がチャーミングな河野会長

「子供の未来応援基金」に決めたワケ

――にわかには信じられませんね(笑)
本当ですよ(笑)。
ただ、どこに寄付するかは、かなり慎重に調べました。
名前を出すのは控えますが、よく知られているところでも、ダメなところはいっぱいあります。寄付を集めるべき団体が政治家に寄付したりとかね。
調べているうちに出会ったのが「子供の未来応援基金」です。
これは、基金すべてを子どもの福祉のために使います、と。
事務費は、すべて事務局が負担します、と。
これならいいかな、と思ったんですね。
ところが、政府が提唱して始めたものだけど、半年で2億円しか集まっていない、と。
個人・団体から寄付を募って、経団連にも一生懸命営業しているらしいんですけどね。
寄付すると、自社広告に子供の未来応援基金のステッカーが貼れる。それでもそれしか集まっていない。

内閣府の方が来られたので、聞いたんですよ。そしたら「目標は2億5000万円です」と。
でも、トヨタの利益は2兆3000億円ですよ(笑)。
いや、他人のことはどうでもいいんですが、それで私、少しでも起爆剤になればと思いましてね。
それでも心配ですからね。
お金の分配を決める委員の方たちの顔ぶれが決まるまで待った。
審議委員には、企業の人が5人、行政から2人、学識経験者が2人。これなら大丈夫かな、と思いましてね。
それで決めました。
自分なりに精査したつもりです。
私だって中小企業のオヤジですからね。個人で4億円出すのは容易なことじゃないんですよ(笑)。

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河野さんが確認した審査委員会名簿

不労所得が増えてもロクなことはない

――臨時収入とおっしゃいましたけど、それでも会社を育て、積み上げてきた末の4億円ですよね。
それはそうですけどね。
でも、私も今年で75歳。もうそんなに先も長くないですからね(笑)。
永遠に生きるなら、寄付もしなかったかもしれませんけど(笑)。
使う分だけあればいいんで、使えないほど持っていてもしょうがない。
死に仕舞いをしなきゃいけません(笑)。

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河野さんが一代で築いた第一住宅本社ビル(川越駅より撮影)


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